<   2011年 05月 ( 4 )   > この月の画像一覧

e0139027_1455461.jpg

前回のアーティストサイトの在り方についての続編を。
まずアーティストサイトはソーシャルターミナルを目指し、無料の音楽サービスと連携し、
無料の音楽サービスを紹介し、入口を多く設け、音源、映像を設置する。同時に出口も多く設け無料で音楽を提供できる環境を作り出すこと。

しかし、これだけではまだ足りない。

ターミナルとした場合、どこにでも飛べながら、
そのターミナル自体も楽しめる作りにしなければならない。

そのためには、もうひとつアーティストサイトに側面を持たせる必要がある。

<続きを読む>
[PR]
e0139027_1710473.jpg

前回のブログはとても多くの人に読んで頂けたようでありがとうございます。
あれからいくつか追加で見つけたので、追って書いていきます。

さて、今回はアーティストサイトやレーベルサイト、フェスサイトの在り方について
書いていきたいと思います。

量が多くなるので、今回はアーティストサイトの話になります。

世の中の流れが『所有』から『共有』へ移行し、
音楽に対するお金の使い方は『場』へ変わってきていると書いてきた。

音楽ビジネスが復権していく上で、ソーシャルメディアと共有される音楽サービスの連携が重要で
最終的な『リアルな場』こそが鍵になる。そのなかでアーティストサイトはどうあるべきなのか。

日本のアーティストサイトをいくつか見てみた上で、ピックアップしてみて感じたことは、
ほとんどのアーティストサイトが『ただの情報発信サイトである』ことだ。
CDがたくさん売れていた時代のサイトみたいに感じる。

結論から言えば、アーティストサイトはあらゆる情報のハブ、つまりターミナルになるべきだと思う。
発信するだけでなく、つなげる。同時にこの場所でまとめる。
外に広げながら、外のものを取り入れる。『共有』される広場を創りだす。

ただ、注意しなければいけないのは
『誰でも知っているアーティスト』
『誰でもは知らないが一定数の固定ファンがいるアーティスト』
『これから認知をさせていくアーティスト』の3パターンだ。

同時に『日本市場か、アジア市場か、世界市場か』によっても変わってくるだろう。
この3×3のパターンで考えるとそれぞれサイトの在り方は変わってくる。

『誰でも知っているアーティスト×日本市場のアーティスト』
例えば、Mr.Childrenのサイトはどんなもんかいうと
e0139027_15285114.jpg


上記+ファンクラブコンテンツがあり、ほぼ情報発信のみのサイトである。
稀に桜井さんからのメッセージなどのコンテンツが掲載されたりするが、基本的には情報発信のみである。

『誰でも知っているアーティスト×日本市場+世界市場のアーティスト』
宇多田ヒカルを見てみよう。
e0139027_1529828.jpg


日本語版、英語版ともにtwitterやyoutubeへの導線はあるが、基本的には情報発信である。
外へ広げてはいるが、外のものを取り入れてはいない。

『誰でもは知らないが一定数の固定ファンがいるアーティスト×日本市場アーティスト』
サカナクションの場合
e0139027_15431675.jpg


基本情報+ustream番組の案内、ビデオ、ブログ、ブログパーツなど
Mr.Childrenや宇多田ヒカルに比べていろいろ組み合わせてやっている印象だ。
外に広げながら、外のもの部分的に取り入れている。

やはりインディーズなどのアーティストはメジャーに比べていろいろと行っている。
海外でも人気の日本人3人組のガールズノイズバンド『にせんねんもんだい』はボタンではあるが、facebook,myspace,twitter,bandcampと連携している。
また、市場をどこに設定するかによって参加するソーシャルメディアや音楽サービスは変わる。
日本アーティストの一般的はmixiやアメブロ(ブログ)、twitterなどが主流かもしれない。

同時に各ソーシャルメディアに導線とアカウントがあればいいってものでもない。
そのへんはまた今度。
e0139027_05005.jpg


つまり、日本市場メインのアーティストサイトの場合の多くが情報発信のみで終わっていて
発信するだけでなく、つなげる。同時にこの場所でまとめる。
外に広げながら、外のものを取り入れるという例がないのだ。

これからの時代は『所有』ではなくなってくる。そのなかで無料で享受できる音楽サービスや
ソーシャルメディアが無数にある。それとどう付き合っていくか。

アーティストサイトの中であらゆる無料の音楽サービス、ソーシャルメディアを選定し、連携し、導線を生み出し、『共有』されるように音楽を提供する。文字と音と映像あらゆる角度からアーティスト、楽曲を訴求する。

今以上にもっともっと今存在する音楽サービスやソーシャルメディアを利用して
無料の音楽を提供できる環境を整えるべきだ。つまり、アーティストサイトのソーシャル化だ。

同時にきちんと『共有』されるように、導線だけでなく、そのサービスの紹介を加えるべきだ。
誰でも知っているサービスならまだしも多くの音楽サービスの認知率は低い。
『共有』される仕組みを作るには、『共有』できるサービスの認知を上げることが必要だ。
そこでは何が出来るのか。どういうサービスなのか。

例えば、海外のアーティストでアイスランドのバンドSigur RosのヴォーカルのJonsi(ヨンシー)のソロプロジェクトにおけるアーティストサイトはとても多くのソーシャルメディアと連携している。
彼は『誰でもは知らないが一定数の固定ファンがいる×世界市場のアーティスト』に入るだろう。
個人的には彼のサイトにもっとその場で見える形(PVやライブ映像)を
取り入れるものがあればいいのになと思う。特に彼のような凄まじいライブをする場合なら尚更だ。

e0139027_1032580.jpg

ちなみにfacebook,twitter,youtube,vimeo,flikr,soundcloud,myspace,last.fmと連携している。
もちろんアカウントはjonsiのものなので、アーティスト主導で行っているわけだが、
文字、音、映像、写真をフル活用している点が注目に価する。

またグローバルナビに『ソーシャル』を設置し、際立たせている。
とにかく至る所に音楽や映像を設置している。無料ダウンロードもよく行われている。

誰でもどこでも聴けるように。
同時にアーティストサイトからどこへでも行けるように。
中から外へ。外から中へ。

もちろん世界市場だからこそ、できるというのもあるかもしれないが、
日本市場に限ったことだってできるはずだ。

こういったサイトのソーシャル化を目指し、ゆっくりファンを創りだしていく。『共有』されアーティストないし、
楽曲に『共感』してくれるような場所にする。
その中心点はやはりfacebookでもmyspaceでもなくアーティストサイトだと思っている。
ここがやはり基幹だ。

入口をたくさん設け、出口もたくさん設ける。けれど、この場所でも十分に享受できる。
国際線の空港のように。ソーシャルターミナルという位置づけだ。

次回はそのへんを書いてみようと思う。

また、音楽ビジネスとソーシャルメディアの在り方についてのまとめブログを作りました。
a day on the planet/groundcolor blog

ご意見などございましたら、頂けると幸いです。
[PR]
e0139027_3173164.jpg


いつのまにか連載みたいになってしまった音楽ビジネスの話。
過去記事はこちらから。

音楽はもともと無料のものだったのだ
音楽は『所有』よりも『共有』で事足りてしまうのか
共感だけでは足りないし、共有だけでも足りない
『共感』と『共鳴』は明確に違うのではないか?


さて、僕らはわざわざCDを買わなくても、至る所で音楽を享受できる。
音楽ビジネスの中でこの一連のサービス群は無視できないだろう。
同時にそれに抗おうとするのも、もはや難しい。

では、使ったほうがいい。
自分たちに還元されるように使ったほうがいい。

音楽を共有されるサービスを用いて、リアルな『場』に人を呼び、
そこで収益を上げ、そして結果的には楽曲売上も目指すという方向だ。

もちろん、共有されただけでは意味が無い。それはあくまで始まりであり、方向性の転換だ。
同時にアーティストサイトやレーベルサイト、フェスサイトなども大いに変革が必要だ。
その具体的方法は次回にして、今日はいまある共有される音楽サービスを総まとめしてみようと思う。

【音楽サービス一覧】

【mog】
e0139027_1365963.jpg


クラウド型音楽ストリーミングサービス。月額5ドルで何百万という曲をインターネットを通してオンデマンドで聞ける。日本ではまだ使えない。

【Qriocity】
e0139027_1391690.jpg



ストリーミング型の月額制音楽配信サービス。同サービスは2010年以降の同社製ネットワーク対応BRAVIA、BDプレーヤー、BDホームシアターシステムのほか、PS3やVAIOなどでも利用できる。
日本ではまだビデオのみ。


【last.fm】
e0139027_1584898.jpg



音楽的指向を反映するSNSであり、それを通じてユーザー同士の音楽的なつながりをつくり出す。JASRACとの契約成立により、日本語版でも音楽の試聴が合法なサービスとして開始された。

【spotify】
e0139027_283263.jpg







スウェーデン人起業家によって設立された無料音楽ストリーミングサービスのSpotify。現在利用地域は欧州の一部の国に限られるが、それらの国での音楽の楽しみ方を劇的に変えつつある。1000万曲以上という膨大なデータから聞きたい曲をピックアップ。オフラインで使用できるようにキャッシュも可能。一部有料。また、国により制限あり。公式には日本では現在使用できない。個人的に要注目のサービス。


【soundcloud】
e0139027_2142393.jpg





アーティスト自身が楽曲をアップロードし公開するサービス。
ユーザーをフォローしたり、シークバー上にコメントができたり、SNS的な要素を持った機能が充実している。
インディーズが多いが、メジャーアーティストや有名レーベルのアカウントもある。

【Jamendo】
e0139027_2204766.jpg




アーティスト自身が楽曲をアップロードし公開するサービス。膨大な楽曲数を誇り、質も高い。
インディーズアーティストがメイン。


【Bandcamp】
e0139027_2253378.jpg



アーティスト自身が楽曲をアップロードし公開するサービス。
アーティスト毎にページがデザインができるらしく、アーティスト毎の個性も楽しめる。
気に入った楽曲を購入することも可能。

【thesixtyone】
e0139027_2274941.jpg



他と同様、アーティスト自身が楽曲を公開するサービスだが、トップページで人気順に音楽が流れていくユニークなサイト。

【Soundtrckr】
e0139027_233389.jpg



無料ストリーミング再生のインターーネットラジオ。
お気に入りのアーティスト名を検索すると、似た系統の楽曲を紹介してくれる。

【finetune】
e0139027_2362095.jpg



無料ストリーミング再生のインターーネットラジオ。
お気に入りのアーティスト名を検索すると、似た系統の楽曲を紹介してくれる。

【8tracks】
e0139027_244544.jpg



お気に入りの8曲を選んでオンラインミックステープが作れる「合法的Muxtape」サイト。
友人と共有することができる。お気に入りのDJが新しいミックスを公開したときにアラートを受け取れるようになるほか、
自分の全プレイリストに付けられたコメントを1ページでまとめて見ることができる。

【Grooveshark】
e0139027_252507.jpg




楽曲が購入可能なストア、他のユーザと繋がることのできるSNSといった機能を持つ、オンライン版のiTunes。
Groovesharkはユーザに音楽ライブラリのインポートを可能にしている。
それによってユーザはインターネット接続を有する全てのコンピュータから、音楽ライブラリにアクセスすることができる。
また、ユーザは自らのライブラリにない音楽を無制限にストリーミング再生することができる。無料で。日本語もあり。

【myspace】
e0139027_2575792.jpg



ご存知世界中に会員が存在する音楽・エンターテインメントを中心としたソーシャル・ネットワーキング・サービス。

【君のラジオ】
e0139027_2594697.jpg





指定したアーティストの曲のYouTube動画を連続再生できるサイト。「似ているアーティスト」も表示してくれる。
簡単操作で好きな楽曲を検索してプレイリストに追加していくだけで
自分の好きな曲ばかり流れる無料の音楽サービス。
youtubeから引っ張ってくるのだが、著作権的な部分でどうかという問題はあるが、素晴らしい。

【fizy】
e0139027_351524.jpg




「fizy」とはウェブ上に存在する音楽&PVを検索して再生してくれるサイト。 ダウンロード等には対応していないが、
プレイリスト機能や曲が多い。


その他、やamazonのCloud Driveや近い未来現れるであろうクラウドiTunes。
先日発表されたGoogleの音楽サービスと次から次へと出てきている。

また、映像音楽サービスでいえば、youtubeやvimeo、写真でいえば、flickr、instagramも「音」以外で
伝えることができる。ユーザ主体という意味ではviddyもありかもしれない。
そのあたりのアーティスト主導かユーザ主導かはまたのときに。

大きく分けると
・クラウド型の音楽サービス(購入も可能)
・ダウンロード型音楽サービス
・インターネットラジオ
・映像付きの音楽サービス

上記4つにわけられる。
合わせて、無料、有料、一部有料などにもわけられる。

また、今後は音楽や映画の共同購入なんかもこれと別に出てくる可能性もある。

これを用いてどう共有してもらい、『場』へ来てもらうかがポイントになる。
同時に市場を日本だけに定めるか、世界に定めるかでも、選定ポイントは変わってくるだろう。
そのあたりも鑑みながら、次回はアーティスト、レーベルサイト、フェスサイトについて考えてみたい。

なにかこれ以外でもこんなのあるよ!とかあれば教えてください。
[PR]
e0139027_14371727.jpg

ちょっと時間が空いてしまったけれど、再開しようと思う。
音楽ビジネスの可能性について。

振り返りも含めて一連の記事を。

音楽はもともと無料のものだったのだ
音楽は『所有』よりも『共有』で事足りてしまうのか
共感だけでは足りないし、共有だけでも足りない

まず、『共感』という言葉と『共有』という言葉と『共鳴』を分けて考えたいと思う。
wikipediaによると、それぞれこう書かれている。

『共感』
共感(きょうかん、英語:empathy)は、他者と喜怒哀楽の感情を共有することを指す。もしくはその感情のこと。

『共有』
共有(きょうゆう)とは、所有権などある一定の権利が複数の主体によって支配・利用されている状態のこと。

『共鳴』
他人の思想、信条に共感することを物理用語を仮借して「共鳴する」と日常的に言い表す。

ここで重要なのは『共感』と『共鳴』の違いだ。
これは非常に似てるものだけど、厳密に見れば違う。

『共感』と『共鳴』を一緒に扱っていたり、語っていることがあるが、
僕はここには大きな違いがあると考えている。個人的にはだけど。

ここを一緒にしてしまうとなにかおかしなことになる。
もちろん曖昧さも含んだものだから、一概には言えないけど、
一緒くたに自分はしたくないなあと。

『共感』と『共鳴』の違いは何か。
それは【行動性】と【熱度】ではないかと考えている。

『共感』は行動を伴わないある種の冷静さを持っている。
『共鳴』は「鳴る」と書いてあるように、「感じる」だけでなく、
五感で捉えることが出来る何か別の行動が伴っている。

この【行動性】と【熱度】は結構違うんじゃないのかなあと。
いいね!ボタンのようなものは【共感性】に当てはまると思うのだけど、
ことリアル、場所を関係させて行く場合は【共感性】だけでは弱い。

【共感性】も必要なことではあるけど、【行動性】と【熱度】は『共鳴』のほうが強いし、
共感だけではやはりダメだ。

さて、これを音楽ビジネスに展開した場合、どうなるか。

順序的に言えばこうだ。

共有→共感→共鳴

この流れでさらにコンサート(フェス)前とコンサート(フェス)最中と
コンサート(フェス)後の横3軸縦3軸で考えてみると色んな可能性が広がってくる。

リアル(フェス、コンサート)と自社サイトやソーシャルメディアや音楽サービスを
連携、連動させて、音楽ビジネスを復権させる。

今は音楽ビジネスを変えようとする動きも加速してきて
メリディアンローグというバンドが提唱する『OASオープンド・アーティスト・システム』なども
出てきて非常にいい流れだなあと思っている。

その中で音楽を愛するひとりの人間として、何かできたらいいなあと思っている。

音楽だからできること。音楽にしかできないことはきっとたくさんあって
その中で享受する者と発信する者がいて、あいだを取り持つ者がいて、
いろんなしがらみや思いはるだろうけど、いい方向に進めばいいなあ。

『共有』『共感』『共鳴』を軸にして、音楽ビジネスをもっともっと活性化させたい。
音楽業界とは関係のない場所で思ってたりします。

次回は第一段階の【共有】部分を具体的に中身を考えてみようと思う。
[PR]