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それでも届かない人たちへ伝える手段として

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僕の最寄り駅に西友がある。
その中にちょっとしたお弁当街がある。中華やらとんかつやらいくつか並んでいる。

僕が個人的に気に入っているお店がある。
店名は忘れてしまったけど、ステーキ弁当が主な商品だ。

そこで働いている『木下のおばちゃん』がとても好きなのだ。
決して段取りがうまいわけでもないし、お釣りは間違えるし、商品をくれなかったりとダメダメっちゃダメダメなんだけど、僕は気に入っている。

それはなんでだろう。
ひとえにそれは【心底お客さんのことを考えている】という想いが伝わるからだと思う。

もちろん、接客業である以上、お釣りを間違えたり、商品を渡すのを忘れてしまうのはよろしくないんだけど、それを補い余るくらい、気持ちのいい接客なのだ。

僕がなんとなく疲れて顔を出すと
【元気?今日はなに食べる?タイムセールでこれがいいよ】って言ったり。
週の始めに顔を出すと
【今日は月曜日だから、一週間乗り切るためにこれにしなさい】って言ったり。
商品を渡すのを忘れたりすると
【ごめんね。。私いっつもへまばかりで。懲りずにまた来てね】って言ったり。

ひとつひとつの言葉に気持ちがこもってる。
その他大勢じゃなくて、僕だけに向けてくれている。

都合良く解釈すればそんな風に感じるのだ。

でも、それでいいんだと思う。
僕はこれからもこの【木下のおばちゃん】がいる弁当屋でステーキ弁当を買い続けるだろう。
それはそこに【木下のおばちゃん】がいるからだ。

弁当の味も価格も大事だけど、僕は【木下のおばちゃん】から買いたい。
だって、結局、人と人の関わり合いだと思うからです。
直接顔を見て、声を聞いて、話して、
これ以上の関わり合いってないからこそ大切なんだと思うわけです。

いま、やれソーシャルメディアだとか会話、対話マーケティングだとかいろいろ言われてますが、
そういう人と人との関わり合いがあってこそのものだと思うんです。

どんなにツイッターで会話をしようとも、顔を見て直接2分話すほうが
よっぽどそのお店、企業への愛は深まる。

だから、そういうところをおざなりにしていないか。
どんなにツイッターで関係を築こうにも、そのあとお店に行って、嬉しくなかったり、気持ちよくなかったり、感じが悪かったりしたら、一発で崩れる。

まず足下を見つめて、それでも届かない人たちへ伝える手段として、
ソーシャルメディアを活用する。

気球みたいにフワリフワリと会いには行けないから、
会えない人たちとつながるために、全員に直接お礼を言いたいけど、言えないから、
ソーシャルメディアを活用する。

そんなことを思う蒸し暑い月曜日の夜です。
by ground0803 | 2010-06-21 22:17 | つぶ、やき